うつくしいもの
「――駄目だ。
こうじゃないのに…」
優雅はアコースティックギターを、
弦が切れるんじゃないかって思うくらいに、
強く掻き鳴らした
破壊的な音色が、
部屋に響く
それが、焦燥の叫びみたいに
優雅は落ち着いたのか大きな溜め息を吐くと、
ソファーに深くもたれている
自分の両手で顔を覆い、
煮詰まっているのが分かる
私はそれを、近くで見ているだけしか出来ない
声すら、掛けられない
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