うつくしいもの

「うわ、優雅、こんな可愛い子といいな~」


准一は羨ましそうに、

机に置かれたその雑誌を見ていた




「てっきり、優雅は菜々花と付き合ってんのかと思ったけど」


仁志にそう言われて、

私と優雅は一瞬目を見合わせた




「別に、俺と菜々花は仲間だから。

高橋さんも、スタジオにこんな雑誌持って来ないでよ」


優雅はそう言って、
その雑誌を閉じた




「ごめん。

でも、菜々花に続いて、おめでたいね。

あっ、今回のスキャンダルで優雅の女性人気が下がるかもしれないから、喜んじゃあダメだね?」


高橋さんは、
そんな風にご機嫌だった



純粋に、担当している私達の幸せを祝福してくれているようで




私はその閉じらた雑誌を見ながら、

泣きそうになるのを必死で耐えた




恋人と別れると言う事は、

その別れた相手が他の誰かと付き合い出す事もあると分かっているのに




分かっていても、
受け入れられないくらいに辛い
< 253 / 373 >

この作品をシェア

pagetop