うつくしいもの

「菜々花、お疲れさま」


そう言って入って来たのは、
私の母親



横には、父親が居て、
弟も




「俺、お腹すいたから、
外のマクドナルドで食べてるから」


私の弟の大悟(ダイゴ)は、
そう言って私を一瞥するとさっさと楽屋から出て行った




「なに、あの態度?

久し振りに会ったのに」


特別仲の良い兄弟じゃなかったけど、

こんな日くらい愛想よく出来ないのかな?



やっぱり、可愛くない弟




「大悟、寂しいのよ。

大好きなお姉ちゃんが、
みんなのものになったみたいで」



「はぁ?」



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