うつくしいもの
「大悟の奴、小さい頃から菜々花に構って欲しくて、
菜々花に意地悪ばかりしてたもんなぁ~」
母親だけじゃなくて、
父親もそんな事を言い出して、
また、はぁ?と声が漏れる
「あいつと私は、本当に相性が悪いの!
大悟は私が嫌いで!
性格最悪で。
お母さん達は、私なんかより大悟が可愛いから、
そうやってあいつを欲目で見て美化して」
今まで、そんな風に思っている事を両親に言った事なんて無かった
ライブを終えて、
私は色々な意味でハイになっているからか、
思わず言ってしまった
「私達は、二人とも同じくらい可愛いに決まってるじゃないの。
そりゃあ、お祖母さんがあんたばかり可愛がるから、
特別大悟に目をかけてたけど……ねぇ?」
同意を求められて、
父親も頷いている
確かに、言われるように、
祖母は私を大悟よりも可愛がっていた……