うつくしいもの

『いえ。

菜々花にだけ、
伝わればいいです』



その優雅の言葉が、
私の胸を温かくする



嬉しくて、泣いてしまいそう




「えっ?

菜々花?優雅が?」


ハンドルを握り締めながら、
高橋さんは戸惑っている




その時、膝に乗せている鞄の中で、

着信音とともにスマホが揺れているのを感じた



私はスマホを取り出すと、
その電話に出る





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