うつくしいもの

「あ、ありがとうございます……」


私はカイロを手に持ち、本気で感動してしまった


また、泣けて来る



今度は、嬉しくて



「じゃあ俺は、これあげる」


泰治は私の方へと歩いて来て、

ガムを一粒私の手に置いてくれた




「なぜ、ガム……」


健太がそう呟くと、
3人は楽しそうに笑い出す


酔っているからか、
本当に楽しそうにケラケラと笑っている



私も段々と楽しくなって、
笑ってしまう




「――でも、お前、なんで…こんな時間迄、俺らの事を、待ってんの?」


先程よりも、涼雅の口調はしっかりとして来た



この冷たい風が、彼の酔いを醒ましているのかも?





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