うつくしいもの
「菜々花ちゃんって、人を傷付けるセンス有るよね?」
けたたましく、秋原さんは笑う
「別に、秋原さんは私に本気じゃないでしょ?
傷付いたのは、心じゃなくて、プライドじゃないんですか?」
私みたいな小娘を自分に惚れさせる事が出来なくて、
悔しいだけなのだろう
「これでも、酒の量が増えるくらいには傷付いてるけど。
菜々花ちゃんに相手にされなくて」
そう笑うけど、その笑顔がどこか哀し気に見えた
「――嘘」
そうであって欲しい、と思ってしまう