うつくしいもの

「二人とも、脆いから」


秋原さんはそう言って、
再び口を開く


「なんて言うのかな?
お互い、相手を支え合えない感じ」



「私はそうですけど、
優雅は違う。

彼は強いから」


そう口にして、
私は優雅をしっかりと支えてあげられてないんだと、気付いた




「まぁ、今は優雅と楽しく付き合いなよ。

でも、菜々花ちゃんが最後に選ぶのは、俺みたいな男だよ、きっと」


秋原さんは私に反論の余地を与える前に立ち上がり、


「向こうで、打ち合わせしてくる」


そう言って、私に背を向けて歩いて行く



秋原さんに言われた色々な言葉が重たく自分にのしかかって、

胸が苦しくなった






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