うつくしいもの



「あの~。
一体、何処に行くんですか?」



「ん?
まぁ、楽しい所」



そんなやり取りで涼雅に連れて来られたのは、

バーから歩いて10分くらいの所に有る、
ラブホテル



そのラブホテルの外装はちょっと寂れているが、

建物の中は外観よりかは綺麗だった






下が少しだけ開いて作られた白い磨りガラス越しに、

おばちゃんの口が動くのが見える


「――泊まり料金だから、5千円前金でお願いします」



「俺、3千円出すから、2千円出して?

全部奢ってやりたいけど、今金欠で。
昨日、スロットで負けて…」



「あ、はい」


私は鞄の中から慌てて財布を取り出して、

その中から2千円を取り出し涼雅に渡す



< 36 / 373 >

この作品をシェア

pagetop