うつくしいもの
「おばちゃん、はい」
「そこのエレベーター乗って5階だから。
チェックアウトは朝の10時に」
涼雅はお金と引き換えに、
部屋のキーを受け取っていた
ラブホテルに来ると言う事は……
つまりそう言う事
やはり、男と女でこんな時間に何処かに行くとなったら、
こんな場所しかないのかもしれない
もし、それが、友達や職場の知り合いとか、
ある程度の人間関係が有るのなら別だけど
涼雅と私は
バンドマンと、ただのそのファンで
それは対等ではなくて、
縮まらない差があって
下の階級で有る私が、
上の階級の人間の彼に大切に扱って貰おうなんて、
おこがましいのかもしれない
だから、こんな扱いなのだろう