うつくしいもの
「ネットで、
涼雅さんのピックを取ったら、
宝くじが当たったとか、
彼氏が出来たとか、受験に受かったとか噂されてて。
幸福のピックだって」
まことしやかに囁かれている、
ジンクスみたいなもの
「へぇ~。
たまたまだと思うけど。
俺、多分予備持ってたから、あげるけど?」
涼雅はジーンズのポケットに手を突っ込む
「いえ、いいんです。
やっぱり、それはダメです!」
きっと、頑張ってあの場所で取るからご利益が有ると思う
「じゃあ、これやる」
涼雅はボディバッグを回し、開いて、
その中から1枚のチケットを取り出す
そして、それを私に手渡した