言えない言葉
「好きだよ…
大好きだよッ!! バカ!」
あたしは、そう言った。
最初の『好きだよ』を
小さく言ってしまったのが、
悔しくて
何故か『バカ』を付けてしまった。
そして、ミズ君の胸を
掌で叩いた。
でも、ミズ君は
何も言ってくれない。
ミズ君の顔見上げると、
なんだか
寂しい顔をしていた。
なんだか、冷たくて…
遠い感じがした。
「もう、何で…
そういう…寂しい顔するの?…」
あたしは、
つい本音を言ってしまった。
それよか、自分で本音を
言えた事に吃驚した。