…このきもち。
はじめてのきもち。

かわらないにちじょう、




「…ゆ…美優!起きなさい!」
「うーん…」

自分で起きられず毎朝お母さんに起こされ起きる。
小さい頃から変わらない。

「おい、遅刻するよ!」

あぁ。
学校だ…
朝から憂鬱だ。
でも今日頑張れば明日、明後日は休日だ。

「大丈夫だってー」
「大丈夫じゃないから言ってんでしょ」
「わかった!起きます準備しますー」
「あとは寝ても知らないからね!もう起こさないからね!」

何度聞いただろうお決まりの言葉。
これが毎日ある。

お母さんも嫌になるだろうな。
大学生にもなって…

「じゃなくて…マジで準備せんと…あぁ…ねみぃ…」

必死に睡魔と戦いながら準備をする。
着替えて顔洗って歯磨いて髪整えておにぎり食べて…

「なんだ。まだ時間あるじゃん。」
「…化粧は?するんじゃなかったの?」
「あ。忘れてた。」
「あんだけ化粧しなきゃとか言ってたのに…
もうしなくていいんじゃない?」
「えー。だって高校で『化粧するのが礼儀です』とか言うんだもん。しないとなー。」

と机の上に道具をばらまき簡単に済ませた。

「なんかさー顔が白い。」
「大丈夫だって。変わんないって。」
「そうかー。してもしなくても変わんないよね!」
「まぁ塗った感はあるからいいんじゃない?」
「塗った感って何w」

思わず笑う。

「ほら。時間。」
「うおやべぇ。行ってきます!」

リュックを持って家を出る。
自転車の前カゴにリュックを入れ、サドルにまたぎ後ろを振り向く。

「行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
お母さんに大きく手を振り自転車をこぐ。
これがうちの毎朝の日課だ。


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