真夜中の魔法使い
眠れない夜に

白い花びら




いつからか、眠るのが難しくなった。




昔から寝る前に本を読むことが好きだった。




本を読んだまま眠りの世界に旅立てば、きっとその先に本と同じ世界が広がっていると思ったから。





小さい頃はいくらも読まないうちにぐっすり眠ってしまって、起きた時には見ていた夢の内容なんて覚えていなかった。





いつもそれが悔しくて、朝起きるとお母さんやお父さんに不満をぶつけたりなんかしてた。





でもあの時はそれで平気だった。





目覚めれば幸せな朝が待っていたから。





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