真夜中の魔法使い
もしも夢の通り閉じ込められているのだとしたら、あの瞳に光が取り戻せるうちに。
手遅れになる前に。
「助けが必要なときは言ってね。私もなかなか強いんだから!」
「ーーハハッ心強い。
味方になってくれる人がいるっていうだけで、力になるよ。
だけどミユウ、本当に気をつけて。おかしなことがあったらすぐに知らせてね。」
「う、うん。気をつける!」
「ありがと!
じゃあ、またね。」
「うん。またね。」
気づいたら薄っすらと夜が明けつつあって。
気にかかることはあるけれど、悪夢を見たことが嘘のように軽い気持ちになっていた。