真夜中の魔法使い




「あ、お兄ちゃん!」



ミユウは起き上がって、ミナトを呼び止めた。




「どうした?」



ミナトはドアノブに手をかけたところで振り返る。




「月下美人にかかってた呪文に気づいてた?」




「通信魔法、だろう?」



やっぱり。お兄ちゃんはどこまでも抜かりがない。



教えてくれても良かったのに!と言いたい気持ちは飲み込んでしまう。



「そうだよねー。聞きたかったのはそれだけなの。引き止めでごめんね!」



< 107 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop