真夜中の魔法使い
「勝手に座ってるし。」
不法侵入した挙句に、勝手に人の部屋の椅子を占拠するなんて、いささか、いや、だいぶしつけがなっていないではないか。
「だって疲れたんだもん。」
ぷーっと膨れて可愛いことは可愛いが、それで許せるほどミユウはお人好しではない。
「勝手に入ってきて、勝手に疲れたって言われても・・・」
「だってミユウの魔法、完璧だったから。だいぶ体力使っちゃったよー。結局美しくない方法、使っちゃったし。」
「なっ・・形跡もなく破っといてよく・・」
「それは、花びらで限界だった。僕自身が入るには、ミユウの隙を突くしかなかったんだよ。ホントはそういうの嫌いなんだけどね。」