真夜中の魔法使い
「かわいいっ!」
「うっ」
ナツキさんは勢い良く抱きつき、頭を撫でてくれた。
とても嬉しい。けれど少し・・ではなくだいぶ苦しかった。
ジタバタもがいてみても一向に解放してくれそうにない。
ナツキさんは見た目によらず力が強いようだ。
なんて呑気に考えている場合ではなくて。
視界の隅ではスノーマンが吹雪を起こしていた。
「な、ナツキさん。
とりあえず座りましょう。
今日はお兄ちゃんが作ったクッキーもあるんです・・!」
なんとか離れて席についてもらうことに成功し、逃げるようにキッチンに向かった。
とりあえずスノーマンは放っておくことにして、手早くクッキーと紅茶の準備をする。