真夜中の魔法使い
ピンときた。
あの恐ろしいネックレス。
あれはアキから継承権を奪うために。
その命を奪うための物だったのだ。
ガタン!
「ミユウちゃん!?」
立ち上がったのはいいものの、とてつもない怒りと恐怖に苛まれ、動くことができなかった。
咄嗟に握りしめた杖を持つ手はきつく締められ、小刻みに震えていた。
どうしよう、どうするべきか。
冷静に考えようとする意思を、どす黒い恐怖が覆い隠そうと襲いかかってくる。