真夜中の魔法使い
何か、どうにかして。
アキの無事を確かめなければ・・!
「ーー月下美人!」
一瞬の閃きを言葉にした途端、呪文を唱えるまでもなく花びらの入った小瓶が目の前に現れた。
咄嗟に両手で掴み、声をかける。
「アキ、アキ!
お願い。返事をして・・!」
『ーーガシャン!』
「っっアキ!?
何の音なの!?」
「ちょっと、ミユウちゃん、
誰と話しているの?一体何が「静かにして!!!」」
夢中だった。
自分が何を言っているか認識する余裕なんてどこにもなかった。