真夜中の魔法使い
広げた両手の上に砂時計を取り出した。
コートとマフラーと引き換えに、ナツキさんの手にその砂時計を乗せる。
受け取ったナツキさんの手がピクリ、と一度震えた。
「ーーわかった。
ミユウちゃんを信じる。
ただ、この後私はすぐにミナトに連絡する。そして1時間たって、この砂の最後の一粒が落ち切っても戻らなかった場合は、私たちも追いかけることにするわ。」
「ありがとうございます・・。」
「油断は禁物よ。無理をするのもダメ。」
ナツキさんはキュッとマフラーを結んでくれた。
「・・はい。
では、1時間後に。」
ミユウは外にも出ず、その場で転移をした。
それと同時に砂時計の中の銀色の砂がさらさらと落ち始めた。