真夜中の魔法使い
潜入
敵除けの呪文の手前、ぴったり屋敷の10メートル手前に転移したミユウは、慎重に歩き始めた。
雪は弱まることなくふりつづけている。
足元は魔法がかかっているらしく道の左右に雪が集められていた。
時刻は午後8時。
街灯は数もまばらで、暗く寒々しい印象だ。
時折吹く風が冷たい。
勢いで家を飛び出てきたが、計画は一応あった。
計画と呼ぶのには心もとない内容ではあるが、やるしかないのだ。
自分がうまくやらなければアキを助けられないだけでなく、ナツキさんや兄まで巻き込むことになってしまう。
それだけは避けなければいけなかった。