真夜中の魔法使い



今は、いくら本を読みすすめても眠りの世界に誘われることがなかった。




頭が寝ることを拒んでいるみたいに。はっきりと覚醒してしまうんだ。




そのうちに本を読み終わって、枕元の読書灯を消すと、窓の向こうに広がるまだ明けない夜の空を見つめる。




寝静まった街。



星たちが微かに瞬いている。




いつもと同じ夜。




穏やかで、孤独な夜。













< 2 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop