真夜中の魔法使い
そのあとも二人はひとしきり遊びまわってミユウの家まで戻ってきた。
流石に高度が下がってくると、自分のいる高さを意識してしまうので部屋に戻るときは目を瞑っていた。
「ふう・・」
ミユウはベッドにどかっと座り込む。
「お疲れ様。楽しかった?」
アキはまたもや我が物顔で椅子に座っている。
「うん。ありがとう。」
出会い方は失礼極まりなかったが、持て余していた時間を楽しめたのはアキのおかげだ。
「どういたしまして。」
そう言ってアキは小さくあくびをした。
机の上の時計を見ると、午前4時を指していた。
たしかに、久しぶりにはしゃいだせいか、まぶたが重い。
「じゃあ、僕はそろそろ帰るね。」
アキは立ち上がって窓際へ歩いていく。