真夜中の魔法使い
気配もなく突然に、何者かに後ろから抱きすくめられた。
有無を言わさず、手を繋いだままのアキごと転移させられた。
驚きのあまりに声も出ない。
屋敷からこちらが見えないのと同様に、ミユウ達の見えないところに潜んでいたらしい。
突然の事だったので、全く抵抗できなかった。
いや、するつもりも、起きなかった。
あれほどまでしつこく纏わり付いてきた恐怖心は全くない。
優しい温もりだけで分かる。
自分の最大の味方が来てくれたのだと。
そうして心から安心したためか、ふっと身体に力が入らなくなり・・