真夜中の魔法使い
手を温めるようにカップを持つ。
部屋は暖かいけれど、長時間外にいたせいか少し寒気がした。
頭もぼーっとするし、暖かくして早く寝たほうが良さそうだ。
テーブルの真ん中に置いてあるミルクと砂糖に伸ばした手は、届く前に別の手に掴まれてしまった。
「こんなになるまで、どのくらい魔法を使ったんだ?」
「え・・?」
こんなって、どんなだと首を傾げる。
さっきまで無傷で帰ってきたことに驚いていたというのに。
「ナツキが責任を感じると良くないから黙っていたけれど・・
これまでにないくらい魔力を消耗しているよ。」
「そ、そんなこと分かっちゃうの?」
「ミユウの普段の魔力はとても強いから。それが今はすっかり別人みたいだ。
その証拠に体温も下がっている。
で、フレッチャーの屋敷で何をしてきたの?」