真夜中の魔法使い
もう決まったこととして振る舞うミナトだったが、今のミユウには抗議する気力が残っていなかった。
それどころか何の薬を作るのか聞く気すら起こらない。
「・・眠たいから部屋に戻ってもいい?」
なんとか声に出したのはこの一言だけだった。
ミルクティーで身体の中から温まったためか、急激に眠気が襲ってきたのだ。
「ダメ。寝てもいいからここで横になっていて。
目を離すと何をするか分からないからね。」
「うーん、わかった。」
普段なら言い返すところだったけれど、猛烈な眠気には叶わなかった。
のろのろとソファーに戻り、横になると自分でするまでもなく毛布に包まれた。