真夜中の魔法使い
しばらくすると、さあ、薬だよ、と言う声が聞こえてきたが、瞼が重くて開けることができない。
「ほら、頑張って。」
「んー・・」
肩を揺すられても眠気はなくならない。
目を閉じたまま両手を差し出す。
「どうしちゃったの、小さい頃に戻ったみたいだ。」
そんなことを言いながらもミナトはミユウを抱き起こし、背中を支えたまま素早く薬を飲ませた。
とろりとした液体が喉を通ると、じんじんと温かさが広がっていった。
「よし、もう眠っていいよ。」
その言葉を聞くか聞かないかのうちに、深い眠りの世界へと落ちていった。