真夜中の魔法使い
「ミユウ、メリークリスマス」
自分を見つめる視線に気がついた兄はふっと微笑んだ。
「メリークリスマス、お兄ちゃん」
そう、今日は12月25日。
ミユウがかけた魔法が完全に発動し始めたのだ。
「って、えっ・・!?24日は!?」
体が動かないことを忘れて起き上がろうとしたせいで、頭がクラクラした。
アキを連れ出したのは23日の夜だったはず。
なのに、今日は25日?一体どういうことだろうか。
「残念ながら24日は寝てるうちに終わってしまったよ。」
「てことは、私、一日中寝てたってこと!?」
クリスマスイブに寝ていたショック、というよりは驚きだ。