真夜中の魔法使い
なんだか落ち着かなくなって、ミユウはそっと部屋を出た。
しんと静まった廊下を静かに歩く。下に降りて暖かい飲み物をいれることにしたのだ。
リビングの扉を閉じると杖を振り、部屋に明かりを灯した。
大きなツリーを片付けたため、前よりも広く感じてしまう。
カーテンを少し開いて窓を覗くと、先程まで輝いていた月には雲がかかっていた。はらり、はらりと小さな雪が空を舞っている。
ミユウは降り積もる雪のように、心の中に不安がじわじわと広がっていくのを感じていた。
なんでこんなに落ち着かないのだろう。
知らないところで何かが起こっている、そんな予感がした。
身震いをすると、カーテンを閉めて明かりを消し、そのままいそいで部屋へ戻った。