真夜中の魔法使い
「ミユウちゃんのお兄さんとっても頭がいいみたいだから、そろそろ返事が来る頃だと思うけど。もちろんアキもそんなに苦戦してはいないはずだよ。」
「はあ・・。あの、それで、なんてメッセージを送ったんですか?」
この際方法はなんであれ、大事なのはメッセージだ。
「んーなんだったかな。よく覚えていないや。なんせ急いでいたからさ。」
「はあ~どうしよう・・・」
ミユウは頭を抱えてまたもや俯いてしまった。
すぐにでも帰ることができればいいのだが、なぜここに連れてこられたのかもはっきりしていない状況ではそれもできない。
それでもやっぱり、心配して待っている人がいるのなら。
「わたし、帰る・・・」
「えっ、ミユウちゃん。そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」
ヨウさんがミユウの隣にやってきて、おろおろしている。
「はあ、面倒のかかるやつだな。」
「よせって、ハルト!」
ハルトがイライラと放った一言も、それを咎めるヨウさんの言葉も、ミユウの頭には入ってこなかった。
帰って、二人の顔を見たい。何よりもそれが大事なことに思えた。