真夜中の魔法使い
返事
「あ~もう、どうしたら元気を出してくれるかい!?
おじさん、抱きしめてあげようか!?・・っていたっっ!」
「おい、ミユウ!ちゃんと帰してやるから、ウジウジしてんなよ。
話、聞きたいんだろ?」
ミユウに向かって両手を広げていたヨウを思いっきり殴ったハルトは、ぶっきらぼうだが、励まそうとしてくれているらしい。先程までの怒りは、ヨウを殴ることで発散したのだろうか。
カシャン!!
突然、部屋に大きな音が響き渡った。
少し遅れて強い風が吹き込んでくる。
「なんだ、これは!」
「おお、派手に来たな~!」
窓ガラスが割れていて、そこから風が吹き込んでいるようだ。
しかし、不思議なことにガラスの破片は一切飛んでこない。
強い風で涙目になりながら周囲を見回すと、キラキラしたものが全てヨウさんの構えた杖先に吸い込まれていっている。
一瞬でこれだけの対応ができるとは。思わず感心してしまう光景だった。
「げほっげほっ・・」
なかなか止まない風のせいで、息苦しくなってきた。一体何が起こっているというのだろうか。