真夜中の魔法使い
再び、突然に
強くなった光に目を開けていられなくなり、ギュッと目を瞑る。
「ちょっと。これ、拉致なのー?」
薄まっていく光の中、どこかで聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ、ミユウじゃん。」
名前を呼ばれて目を開ける。
なんだかデジャビュな感じがする。
「あ、アキ!?どうして?」
さっきまで光っていた場所、お兄ちゃんの手の先には、アキが立っていた。
「犯人はお前か。」
ミナトは呪文でアキの手足の自由を奪ってしまった。
「ちょっと、お兄ちゃん!」
ミユウは慌ててアキに駆け寄る。
が、縛られて直立不動の状態でもなおアキは気にしていないようだ。
「犯人って、あーあの時のがバレちゃったか。」
「ミユウは下がっていなさい。」
ミナトはミユウの腕を掴んで自分の後ろに隠れるようにした。
「で、お前。アキといったか。」
「だからお兄ちゃん、そんな乱暴は・・むむ」
ミユウがミナトの背中から顔を出して止めに入ろうとするも、押し戻されてしまう。