真夜中の魔法使い
「アキか!?どうして・・」
アキの様子を見てお兄ちゃんはさらに困惑した表情だ。
「わからないの。ここに来たときにすでに傷だらけで。止血はできたと思うんだけど、見てみてくれる?」
ミナトは呪文の理論を研究している。
ミユウが「見て」と言ったのは、治療がうまく行ったかどうかに加えて、この傷の原因となった呪文を分析して、という意味も含まれていた。
「これはやはり・・魔法の痕跡がある」
「じゃあだれかが?アキは一度この家の呪文を破ってるからそれのせいじゃないよね?」
「ああ、この家のじゃない。アキにしたように呼び出せないこともないが、やめておいた方が身のためだろう。」
「賢明な判断だよ・・ミナト」