真夜中の魔法使い
しばし見とれていたミユウであったがハッと息をのんで窓を見上げる。
でも・・でもどうして・・?窓は閉まっているはず・・
ミユウは表情を固くした。
だれかが、魔法を・・?
「たしかに、防護呪文かけたよね・・?」
魔力を辿っていくと、たしかに正常にかかっているようだ。
『ウン、ちゃんとかかってたよ』
「きゃっ・・」
突然、窓の外から声が聞こえ慌てて花びらを落としてしまう。
「だっ・・誰なの・・?」
そっと枕の下から杖を引き出し、窓に向ける。
『ごめん。驚かせちゃったね。』
ひょっこりと窓に顔を出したのは
金髪の、少年だった。