真夜中の魔法使い



「うそ。そんなの、聞いてないよ!

お父さんが、家庭教師をしていたなんて・・」




「ん、まあ普通貴族の家庭ではどの家庭教師を雇っているかは公開しないんだ。本人にも黙秘義務がある。」




「でも、そっかあ、だから・・・」




アキの魔法はどこかお父さんの面影があるんだ。




「リョウヤさんを雇ったことはウチの最大の功績でもあり、失敗でもあった。」




「どういうこと・・?」




「ううん。たいしたことは、ないんだ。独り言。


でも、リョウヤさんからミユウのことを聞いていたんだ。だから僕は昔からミユウのことを知っていたんだよ。」




お父さんが小さい頃のアキに魔法を教えているところを想像する。




きっとお父さんはいい家庭教師だっただろう。





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