真夜中の魔法使い
「これで、アキも助けられるかもしれない!」
「ミユウ・・」
今度はミナトがぎゅっとミユウを抱きしめた。
「・・恐らくアキの方はネックレス自体を破壊しないと呪いを解くことはできないだろう。・・それに・・」
いつもはハッキリした物言いのミナトが珍しく話し辛そうにしている。
ミユウが困ると分かっているからだろう。
「これ以上、深く関わるのはやめた方がいい。到底敵わない相手を敵に回すべきじゃない。」
「一体誰と戦ってるっていうの!お兄ちゃんは聞いたの?
そうじゃなくても・・あんな仕打ちあんまりだよ」
ミナトの全てを知っているような口ぶりに、思わずキツイ言い方になってしまい、そんな自分にしゅんとしてまう。
それでもミナトはミユウを安心させるよう、穏やかに話す。
「アキだってそこら辺の魔法使い数人分の魔力と実力がある。そこにお前が首を突っ込めばかえって足手まといだ。
あのネックレスをしたままなのも、何か考えがあってのことだろう。」