真夜中の魔法使い
追跡
「フレッチャー、フレッチャー・・」
色々考えた結果、まずアキの家のことから調べることにした。
人の家のことを詮索するのはあまり気持ちのいいことではないが、お父さんの事があったように、家に関わることは話せないことになっているのかもしれないと思い当たったのだ。
ヒソヒソとした話し声がたまに聞こえてくる。
そう、今回は街の図書館に来ていた。
過去の新聞を閲覧するためだ。
普段は滅多に外に出ないので落ち着かず、こっそり耳栓の呪文をかけた。
集中力の限界まで粘ったが、結局、わざわざ図書館まで来たのにフレッチャーに関する記事は見つからなかった。
今思えば、新聞に載せる情報にも規制がかかっていないはずがない。