真夜中の魔法使い
あっ!
「あれは・・!」
閉じていた目を開き、深呼吸をして決意を固める。
鼓動が、痛いほど高鳴っている。
あの指輪には確かに強力な魔法がかかっていた。
それに、それに・・
トカゲを形どった物だったのだ。
指輪の持ち主は、きっとフレッチャー家の関係者に違いない。
指輪をした男は相当の速さで移動している。なんとせかせかしていることだ。
後をつけているのがバレないよう、気配を消す呪文を唱え、相手の速度に合わせて移動する。