真夜中の魔法使い
ぺちっ・・
「何が?じゃないよもうー。しっかりして!」
アキは今度は両手で頬をはさんで叩いてきた。
気のせいか目がうるうるしている。
泣くほど・・と思いながらも軽い痛みを受けて頭がスッキリしてくる。
状況を理解してきてどんどん自分の体温が下がっていくのを感じる。
「あ・・ごめん。」
全身が震える。
「ん。分かったならよろしい。」
アキはホッとしたように微笑んでどこからともなく取り出したマフラーを首に巻いてくれた。