真夜中の魔法使い
「さ、もう安全だし、寒いし、帰ろう。」
アキはミユウの肩を掴み、向きを変えて家の門の方へ押した。
「ちょっと、押し過ぎだって!」
言葉にすると恥ずかしいけれど、アキはいつも優しく丁寧に接してくれていた。
こんなに強引なのも珍しい。
「僕だってさむいしー」
なにか、いつものアキと違う。
「アキ・・うちにくる?」
「嬉しいけど・・帰らなきゃ。」
「でも・・」
きっとアキが私を追ってきたこともバレているはずだ。
いっそのこと、このままうちにいてもらえれば・・。
「帰らないと、死んじゃうから。」