真夜中の魔法使い
「あっ・・」
一度背を向けたアキが振り返った。
「どうした?」
「これ、マフラー。」
ミユウは急いでマフラーを解こうとした。
「いいよ。それ、あげるから。」
アキはそれを手で制して当たり前だ、というように言った。
「えっ・・でもアキも寒くない?」
「もー、ちょっとは男心を察してよ。」
ぷーっと膨れながら男心と言われても・・といった感じだ。
「返して、なんてカッコ悪いじゃん。新品だし安心して使ってね。」
「あ、うんありがとう・・。」
これじゃあ、断ったほうが悪いみたいじゃないか。
「じゃあ、またね」
軽くてを振ったアキは今度こそ帰ってしまった。