Dr.早瀬
広場
広場にやってきた。
いつもの子どもたちが
はしゃいで騒いでいた。
それを、
いつものベンチに座って
眺める。
横には研修医が座ってる。
「なんでそんなに
気に入ってんの?」
不思議そうに尋ねてくる。
「…別に。」
...ほんとは、
ここにくればたくさんの人がいて、
あたしは一人じゃないと
錯覚できるから。
ただでさえ個室なのに
無駄に広いから、
あそこにいるとやっぱりあたしは
一人なんだ、と再確認させられる。
「そんな風には見えないけど。」
その言葉に思わず視線を
子どもたちから
研修医に向けてしまった。