Dr.早瀬
病院生活が長いあたしは、
死、が、他の人より身近だった。
まだ4歳ぐらいのとき
同じ病室の女の子が亡くなった。
それから1年もしないうちに
同じ病室の男の子が亡くなった。
その後、別の病院に移ってからも
同じ病室の男の子、
病室は違うかったものの
顔見知りだった女の子が
亡くなった。
もちろん元気になって
笑顔で病院から出て行く子もいた。
それからまた戻ってくる子も。
誰かが亡くなる度、周りは言う。
ーーー「いい子だったのに。」ーーー
そして時が流れ、いつの間にか
忘れられる。
いつ忘れたのかすらも
忘れられてしまう。