Dr.早瀬
病院について受付けが済み、
「病室までご案内します。」
40歳ぐらいの看護婦さんに
ついていく。
そして302と書かれた部屋の前で
看護婦さんが止まり、
「こちらが由那さんの病室です。」
そう言いながら扉を開ける。
個室か。
へー、意外と広いじゃん。
部屋に入って一通り見渡す。
「それでは、後ほど主治医が
参りますので、私は失礼いたします。
何がございましたら、ナースコールで
お呼び下さい。すぐお伺いします。」
扉の前にいたままだった看護婦さんに
「あ、はーい。
ありがとうございますー。」
お母さんが答える。
あたしは幼い頃からの着慣れた
病院服に着替えてベッドに入る。
「意外と広いわねー!」
タンスに、持ってきた荷物を
入れながらお母さんが話しかけて
くる。
それには何にも答えずに
窓に目線をうつした。