Dr.早瀬

「久しぶりー!!
寂しかったでしょー!
ほら、
由那の大好きなフルーツバスケット!
いっぱい食べていいからねー!」

満面の笑みで両手に抱えてる

まあ好きだけど…
そんなに食べられないよ

見た感じ1週間はもちそう。

でも、

「ありがとー!!!」

笑顔。笑顔。



これは昔からの癖みたいなもので

別に無理してるわけじゃない。




お母さんを安心させるため。

ただでさえ、病気を、
自分がこんな体に産んでしまったからだと未だに勘違いしている。













そうじゃないよ。

そうじゃないの。












言葉で言うのは簡単で

簡単な分、物凄く軽い

だからせめて笑顔を見せて、
少しでも安心させたい。


でも、


そんなのはただ偽善者ぶってるだけで、

実際のところ、あたしが安心したいん
だと思う。


















まだ笑える。

まだ生きてる。






笑顔が生きてるかどうかの確認作業だなんて、とことんあたしは汚れてる____...







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