Dr.早瀬
コンコンッ
「失礼します。」
「はーい!」
お母さんが返事をし、
入ってきたのは綺麗な女の先生と、カルテを持ったいかにも研修医っぽい、世間一般では所謂イケメン、と称されるであろう男の人だった。
2人はあたしがいるベッドのサイドまで
歩いてくる。
それに合わせてあたしもベッドから
起き上がる。
「この度、由那さんの主治医を
させていただきます、林、と申します。
そしてこちらが、早瀬先生です。」
そう言うと、
林先生の一歩後ろにいた
研修医が前に出てきて、ぺこりと
頭を下げた。
「この度、助手をやらせていただきます、早瀬です。」
「え、研修医じゃないの?
こんな人に助手務まるんですかー?」
あたしが被せるように言う。
「こら!由那!すみません!」
お母さんが慌てた様子で謝っている。
「いえ、よく言われますので。」
それに対して少し微笑みながら
研修医がこたえる。
ーーーー嘘くさい。
「由那さん、早瀬先生は優秀な
お医者さんです。
それはあたしが保証します。」
林先生があたしにむかって
そう伝える。