Game Start!!
「ヘッ、クチュン!」
「悪りぃ。寒いよな。大丈…夫……」
拓馬と……目が合った……
ふいに振り返った拓馬の目が大きく開かれたのが、手に取るように分かる。
お互い、目を反らした。
あぁ。
どうせならもっと、可愛い下着をつけてくればよかったかな
とか地味に後悔している自分。
すると、動いた気配に顔を上げる。
私の服を木の枝に引っかけ、周りに火の子を灯す拓馬。
段々と私に近づいてきて……
すっぽりと拓馬の腕の中に収まった。
「冷てぇな」
「元々、体温低いの。いつも水使ってるし」
「拓馬は……温かいね」
「俺も……ちさとと一緒だよ」
拓馬は温かくて、気持ちいい。
火と水なんて、打ち消し合って使い物にならないなんて思っていたけれど、
案外そうでもないみたいだ。
ぴったりパズルのピースがはまったような、あの絶妙な感覚。
こんな夜も2人いれば、なにも怖くない。