Game Start!!
「本当、悪りぃ」
「うん。もう分かったからいいよ」
「ちさと……」
「うん。何?」
「俺…」
「ちさとが好きだ」
一瞬、心臓が止まるかと思った。
「ちさとが居ればそれでいいよ。ずっと、このまま出られなくても……」
振り返ると、拓馬の姿が。
そんな顔で見ないでよ。
さっきから、やけに心臓がうるさい。
「なに言ってるの拓……っ!」
一歩退く足が石ころにつまずいて、背後へ倒れる。
とっさに拓馬が腕を伸ばして支えてくれたから、さほぼ痛くはないけれど。
拓馬も一緒に倒れたから、異常なほどの近距離。
「ちさと……」
整った拓馬の顔が近づいてくる。
そして、重なった。
初めて触れる唇に違和感。
「拓っ、…んっ!……」