一番星になれ
「いってきまーす」
お母さんにそう言って学校へと向かった。
桜の季節も終わりに近づいて、
風で散った花びらが駅までの道を埋め尽くしていた。
「きれいだなぁ」
「きれいだよな!」
「....」
「なんか言えよー!」
声をかけてきたのは幼稚園から高校まで一緒の幼馴染みで、隣の家に住んでいる田嶋流だ。
「なんで時間ずらさないのよー」
「別にいいじゃん?俺が一緒じゃ嫌なのかよ」
「嫌っていうか....」
「なんだよ?」
「別に」
内心めちゃめちゃ嬉しいっつうのーーー!
心臓の音きこえてないよね?
私はこの田嶋流に恋して....何年だ?
覚えてないや。
とにかく、流のことが好きなのだ。
気持ちを言えないまま高2なってしまった。
「はぁ」
電車にのり、
学校近くの駅まで約10分ちょい。