一番星になれ



「いってきまーす」

お母さんにそう言って学校へと向かった。

桜の季節も終わりに近づいて、
風で散った花びらが駅までの道を埋め尽くしていた。

「きれいだなぁ」
「きれいだよな!」
「....」
「なんか言えよー!」

声をかけてきたのは幼稚園から高校まで一緒の幼馴染みで、隣の家に住んでいる田嶋流だ。

「なんで時間ずらさないのよー」
「別にいいじゃん?俺が一緒じゃ嫌なのかよ」
「嫌っていうか....」
「なんだよ?」
「別に」

内心めちゃめちゃ嬉しいっつうのーーー!
心臓の音きこえてないよね?

私はこの田嶋流に恋して....何年だ?
覚えてないや。
とにかく、流のことが好きなのだ。
気持ちを言えないまま高2なってしまった。

「はぁ」


電車にのり、
学校近くの駅まで約10分ちょい。




< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop